13の処刑法を執行されてしまった感想
※本投稿につきましては、あくまでも個人の感想であることをご承知置きください。
事の発端はフォロワーのツイートでした。
遠野篤京くんのものは“13”買わなくてはいけないマイルールと共に生きているから、自分で4アカウント分購入し、今日友人1人に購入してもらい、あと8足りないので8人にギフトカードを送り付けて買ってもらわないと…みんな人助けだと思ってギフトカードを受け取って遠野篤京くんの新曲をDLして欲しい…
— めろん🍑👓 (@merockman) 2020年5月4日
…何言ってんだこいつと思いつつも、いつものことなのでスルーしたのですが、翌日、
承諾を得る前にギフトカード番号を送るな
しかしながら、折角送ってもらったものを無視する訳にもいかず、DLしない理由もないので、購入しました。
その後、以下のツイートから13の処刑法が完成したことを知ります。
ご報告します。この度皆様のご協力の元遠野篤京くんの新曲「Bloody Dance」を13購入することに成功致しました ちょうど毒ガスを浴びていた別ジャンルの人やうっかりギフトカードを使わず買ってしまった人や言う前から自分で買ってもうたわと言ってくれた人、全員ありがとう そして13番目の処刑はなんと pic.twitter.com/UAUNoEjGmg
— めろん🍑👓🌻 (@merockman) 2020年5月5日
まさかの初めましての方でした 出会って5秒で処刑 そんなことある?そんなことがインターネットにはあります これにて処刑は完了した pic.twitter.com/cedKydbGMR
— めろん🍑👓🌻 (@merockman) 2020年5月5日
また面白いことしてるな
そんなこんなで私は彼女によって処刑されましたが、
ひと様にお金を払って貰っておいて、何も感想を伝えないのは良くないし、私もひとりのオタクとして、ひとのものであっても推し事・推しに対して真摯に向き合いたいな
ということで、キチンと曲を聴き、感想を残すことにしました。
が。
私、遠野篤京のこと一切知らないな?
テニスの王子様については20年近く前からメインジャンルとしているものの、正直、登場人物も多く、数多のメディアミックスも行われている中で、自分の推し以外を考察する余地は無かったため、 改めて、新テニスの王子様 1巻~23巻および10.5巻(公式ファンブック)23.5巻(パーフェクトファンブック)、そして20周年アニバーサリーブックである「テニプリパーティー」を再確認し、遠野君について調べつつ、曲を聴くことにしました。以下に遠野くんの簡単なプロフィールを記載します。
そもそも、遠野篤京とは?
遠野 篤京(とおの あつきょう)/高校3年生
誕生日:4月27日(牡牛座)
血液型:AB型
趣味:博物館巡り
家族構成:祖母、父、母
引用元:新テニスの王子様 公式ファンブック 10.5
遠野くんは、ジャンプスクエア(集英社)にて2009年4月号より連載されている漫画「新テニスの王子様」に登場する高校生です。
「テニスの王子様」(集英社 週刊少年ジャンプ1999年32号-2008年14号にて連載)は、2000年代テニスブームの火付け役にもなり、幅広い年代に読まれている作品と思われますが、「新テニスの王子様」はその続編にあたります。
前作からの主人公である越前リョーマやチームメイト・ライバル達は、全国大会後にU-17選抜大会への特別参加が許され、世界大会への出場を目指し切磋琢磨しており、遠野くんも、そのU-17選抜大会に正規の参加者として召集されています。
13の処刑法って?
遠野くんはU-17選抜大会に召集されている高校生の中でも1軍に所属、1軍内ではNo.8のプレーヤーです。また、「コート上の処刑人」の異名を持ち、その名の由来となった得意技があります。
得意技:処刑法其ノ~(十三:ギロチン、十二:電気椅子、十一:鉄の処女【アイアンメイデン】、十:聖アンデレの十字架、九:松の木折り【ディアスフォンドネーゼ】、八:ウィッカーマン、七:ファラリスの雄牛、六:セメント靴【シューズ】、五:コロンビア・ネクタイ、四:苦痛の梨、三:生き埋め、二:銃殺、一:切腹
引用元:新テニスの王子様 公式ファンブック 10.5
※遠野くんはあくまでもテニスプレーヤーであり、上記はテニスの得意技です
13の処刑をすべて受けた時、相手プレーヤーは全身が麻痺し、指1本すら動かせなくなり、そこで処刑が完成するそうです。*1
ここまでを再確認し、フォロワーが「13の処刑法」を完成させることに執着していた点について理解しましたが…今回の場合、私が麻痺するの?フォロワーが麻痺するの?
新曲「Bloody Dance」について
ビジュアルと基本的なプロフィールだけ見ると、端正な顔立ちで理知的な印象を受けますが、異名と得意技、そして新曲のタイトルをよく見てください。
「Bloody Dance」。ブラッディダンス。
「処刑法」という遠野くんの得意技、また、作中の「血祭りにあげちゃうよ」という遠野くんの台詞に関連するものと考えますが、語感かな、ニュアンスかな…技名も含めて高校生という前提のもとであれば可愛いので良いです(作中高校三年生の秋だけど)。
■曲について
プロフィールと作中の様子、タイトルから、デスメタルやハードロック、ビジュアル系っぽい曲調なのかな、と思いつつ再生したところ…なんか違う。
しかし音楽に疎いのでジャンルが分からず、有識者に意見を求めることにしました。
有識者①テニスの王子様履修済、音楽が好きな歌って踊れる審神者
ロカビリーという有識者の意見を参考に、曲のジャンルについては、ロック(ロカビリー系)ということで理解しました。
ja.wikipedia.orgが
調べていくと、ロカビリーは1950年代にカントリーミュージックファンに人気があり、ロカビリーの代表的なミュージシャンであるエルヴィス・プレスリーが「私のスタイルはカントリーをテンポよくしただけ」との発言をしているとの記載がありました。
プレスリーはリズム・アンド・ブルースの影響を受けており、彼のスタイルについて彼は「私が物心つく前から有色人種の方々が演奏してきたものを今私がやっているだけ」と語った。しかし彼はさらに「私のスタイルはカントリーをテンポよくしただけ」とも語っている。
引用元:カントリー・ミュージック - Wikipedia
ロカビリーはロックの一種であり、カントリーミュージックの派生でもあると考えていいのでしょうか…。(お詳しい方がいたらご教示いただけると嬉しいです)
なお、曲を聴きながら読んでいた君島・遠野VS木手・丸井戦中*2での遠野くんの台詞「イーピーカイエー」については、許斐先生からの回答があり、*3遠野君がカウボーイファンということが分かっています。
※検索するとダイハードに関する内容がヒットするのですが、カウボーイ映画の役者が好きという登場人物が、それを揶揄された際に言い返した台詞があるようです。
映画全作を通して、マクレーンは「Yippee-ki-yay, motherfucker.」という決め台詞を発している。 "yippee-ki-yay(イピカイエー)" はアメリカでは主にカウボーイがロデオの時に発する口癖で、本来の意味で使わない場合が多い(本来はウルドゥ語で「これでも食らいやがれ」という意味らしい)。 "motherfucker" は相手を侮辱するときに使う俗語で、作中では「クソったれ」「イカれ野郎」などと訳される。 2作目以降の日本語吹替版では「イッピカイエー、くそったれ!」と定着して訳されている。
短絡的かもしれませんが、カントリーミュージックにはカウボーイのイメージがあります。しかし、前に引用したWikipediaでは、実際には関係性は薄く、ハリウッドやブロードウェイの西部劇の影響によるものとの記載もありました。ただ、遠野くんが西部劇からカウボーイファンになった可能性は考えられるため、ロカビリーとカントリーミュージックに関連性があり、かつ、その要素が新曲にあるというのは面白いなと思います。(こじつけ感は否めませんが繋がりがあると考えた方が楽しいので)
ところで、「イーピーカイエー」を調べるために検索したところ、検索結果トップに躍り出たのがこちらでした。
気になりますよね、やっぱり。
同ブログでは遠野くんの技名の由来となっている処刑法についても調べられていたので、リンクを貼っておきます。
■歌詞について
歌詞については、以下リンクのものを参照し印象深かった部分を抜粋します。
始まった瞬間 すでにとらわれているのさ
遅い遅い とっくに俺の操り人形
すべて忘れて深く深く堕ちてゆけばいい
俺の思うがままにAh
苦しむ間もなく バイバイなんてツマラナイ
じわりじわり真綿で締め付けるくらいがちょうどイイ
全体を通して、ひとつひとつの技ではなく「13」すべてを相手に執行し「完成」とする「処刑法」に対する遠野くんのこだわりと、処刑時の高揚感を書かれているもので、新テニスの王子様においての初試合である君島・遠野VS木手・丸井戦での印象通りの詞に感じます。
君島・遠野VS木手・丸井戦は、君島くんから木手くん、丸井くんへの”交渉”が軸となったダブルス戦で、それぞれの人物像の理解が浅い私には、スポーツマンシップとは…?よく知らない人の古傷にボール当てることと、チームメイトの手術を天秤にかけていいのか…?と疑問符が浮かびまくる試合なのですが、遠野くんはそんなことは歯牙にもかけず、処刑に夢中。しかし、交渉が決裂し、また2対2のダブルスとなった際の遠野くんの描写は興味深く感じます。ここまで処刑に固執する印象のみでしたが、この行動で、U-17日本代表に所属していることへのプライドが人一倍強いことを知ります。
また、その後のU-17W杯ギリシャ戦に出場した際の回想シーンでは、同じU-17のメンバーである種子島くんに、思いを吐露する場面もあります。
不様と笑われてもいい
見てな俺の生き様を
骨の髄まで捧げよう 極上の美学
ギリシャ戦での赤也くんではないですが、遠野くんの地雷はおろかどのような人物なのかも未だ把握しきれません。しかし、U-17代表選手であるために、自身が愛する処刑に固執し、ギリシャ戦では不様にコートを這うこととなってでも完遂する彼の美学が今後どのように描かれるか、気になるようになりました。
キャラクターソングという特性のある曲のため、人物と背景を交えての感想になりましたが、これからの新テニスの王子様の展開によって遠野くんがより掘り下げられ、曲の深みが増すことを楽しみにしています。
おしまい